今回はExcelの基礎編第5弾です。
Excelを使って計算している時たまに〈 #VALUE! 〉といった表示になることってありますよね。
え? そんな表示見たこと無いよ。
と思ったら、よく見ていないか。あまりに気にしていないだけなので、見てあげて下さい。お願いします。
前回の第4弾から読みたい方は、下記のリンクをクリックして下さい。
さてこの記号一体何者なんでしょう?
ちなみに私は、昔は「いや、これってExcelの嫌がらせの一つだろ」って思ってましたが私が愚かでした。
別に嫌がらせでやってる訳ではなくこの計算は成立しないよ。
だから答えが表示出来ないから、エラーの種類をみて計算式を正しく修正してね。
っていう親切機能なんです。
それに、エラーは印刷されてしまうので格好悪いです。
今回は、そんな「エラー表示」の意味と「IF関数」を使ったエラー表示の回避方法と使い方について説明しちゃいます。
それでは、エラー表示の謎を解き明かしてきましょう!!
エラーの種類を抑えよう!
Excelの比較演算子での計算や関数を使った計算を設定しているとたまに表示されるエラー表示ですが、何種類あるか知っていますか?
答えは、全部で7種類です。 ん~。アンラッキー・セブンですね。
このエラー表示は、このままだと正しく計算が出来ないよって知らせてくれてるんですね。
では、実際にどんなものでどんな意味があるのか抑えてみましょう。
番号 | エラーの種類 | 読み方と意味 |
1 | #NULL! (ナール) |
NULL intersection (ナル・インターセクション) 意味:セル範囲に共通部分がない |
2 | #DIV/0! (ディブ・ゼロ) |
DIVided by 0 (ディヴァイディッド・バイ・ゼロ) 意味:割り算を0か空白で計算している |
3 | #VALUE! (ヴァリュー) |
Wrong type VALUE (ローン・タイプ・ヴァリュー) 意味:計算に不適切な値が入っている |
4 | #REF! (レフ) |
A REFerence to a cell that does not exist (ア・レファレンス・トゥ・ア・セル・ザット・ドゥーズ・ノット・イグジスト) 意味:セルが参照出来ない |
5 | #NAME? (ネーム) |
Unrecognized NAME (アンリコグナイズド・ネイム) 意味:関数名の間違いか、関数で指定した名前が間違っている |
6 | #NUM! (ナム) |
An invalid NUMber (アン・インヴァリッド・ナンバー) 意味:計算結果が大きすぎるか小さすぎる |
7 | #N/A (エヌ・エー) |
Not Available value (ナット・アヴェイラブル・ヴァリュー) 意味:関数で指定した値がどこにも無いよ |
こんな風に7種類あるのですが、結論から言うとエラーの種類はすべて覚える必要はありません。
エラーの理由の多くは、「計算間違い・計算の対象セルが空白・書類を作り直した為に参照先のセルが存在しなくなった」等の理由がほとんどです。
あくまで私の感覚なんですが、「当たらずとも遠からず」です。
つまり、エラーの表示が出たら計算式や参照先の値が間違っていないかチェックするようにしましょう。
これがエラーの原因を探すときに一番効率がいい方法です。
ただ、エラー表示は放っておいても特に問題ない場合もありますが、印刷されてしまうので「え? この資料計算間違いとかしてない?」なんて不安を与えることも多々あります。
じゃあ、どうすれば良いのか? こういう場合は、「IF関数」を使ってエラーを回避しましょう。
なんだか難しそうに感じますが、要点さえ押さえれば、簡単なので早速IF関数の使い方を見ていきましょう。
実践的なIF関数の使い方を見てみよう
さて、よくあるエラーが発生するパターンを見てみましょう。
基礎編の第3弾で使用した見積書を使って解説しますね。
こんな風に 「#N/A」エラーが表示されました。
このエラーは、関数で指定した値がどこにも無いときに表示されます。
【パターンA】の方は、「商品コード対応表(右側の表)」のコードを変更したので「VLOOKUP関数」で探しても見つからないよ。という意味です。
商品名などが新しくなったときにコードも新しくしてしまうと、こういったエラーが発生する可能性があります。
【パターンB】の方は、コードが入力されていないので「空白」は検索しても見つからないよという意味です。
こういうパターンは一番多いですね。
見積書等の書類は、いつも全ての行(項目)を利用する訳では無いですよね。
逆に全ての項目が埋まらない方が当たり前なのでこのままでは、エラーだらけになっちゃいます。
こういった場合は、パターンに合わせたエラーの対応をしましょう。
【パターンA】の場合は、エラーが表示された時点で「 商品コード対応表 」のコードを修正するか、見積書のコードを修正しましょう。
【パターンB】の場合は、検索するコードが入力されていない、つまり検索するセルが空白だったら、「検索結果を表示するセルも空白にしてね」という条件を設定してあげれば問題は解決します。
では、どんな風に設定すればいいか見てみましょう。
IF関数を設定すると、こんな風にエラー表示を綺麗に避けることが出来ます。
特徴をまとめると次のような感じです。
①「B18セル~B29セル」にIF関数を設定して、エラーが表示されないようにしています。
同じように「L18セル~L29セル」と「O18セル~O29セル」にも設定しています。
②もう一つのポイントは、さっきまでエラー表示されていましたが、今回はちゃんと計算されていますね。
これは、計算の範囲にエラーが含まれているとその影響でエラー表示になりますが、空白の場合は影響されずに計算してくれる。ということを覚えておきましょう。
IF関数の設定例は、
『=IF($A21=””,””,VLOOKUP(A21,$S$18:$U$46,2,0))』
こんな風に設定します。
一見難しそうに見えますが、ポイントを抑えてしまえば簡単なので次は基本的な使い方と実際の使い方のポイントを抑えていきましょう。
IF関数の基本とネストについて知っておこう
まずは、IF関数について基本を抑えましょう。
「IF」というのは、英語で意味は「もし」ですよね。
もし、目的が〇〇だったら××という処理をしてね。そうじゃなければ△△という処理をしてね。という使い方です
IF関数は、使いみちが広いので色々なことに使える私が一番好きな関数です。
では、今回の使い方について解説していきましょう。
「=IF($A21=””,””,VLOOKUP(A21,$S$18:$U$46,2,0))」 この関数の使い方のポイントを整理してみましょう。
まず、空白の表現方法は「””」の記号で「”」(ダブルクォーテーション)を2つ並べることで空白という意味になります。
次に「VLOOKUP関数」の使い方ですがこういった《関数の式の中に他の関数(数式)を入れること》をネスト(入れ子)と言います。
実務では、当然こういった何も入力されていない時にどんな処理をさせるか? ということがポイントになるのでこのネストは押さえておきましょう。
でも、「ネスト」と聞くと複雑に考えてしまう方も多いのですが、コツを押さえれば難しくないので設定方法を整理してみましょう。
まずは、結果を出すための「VLOOKUP関数」を設定します。
仕上げと動作チェックの段階で「IF関数」を追加して、「でなければ」の後半部分にもともと設定してあった「VLOOKUP関数」をよいしょっと引っ越せば良いんです。
文章では分かりづらいので図解で見てみましょう。
「B21のセル」を「VLOOKUP関数」だけ設定してある状態に戻すとエラーが表示されますね。
この状態から、IF分を追加してみます。
①B21セルをダブルクリックします。
②「=」の後ろに「if($A21=””,””,」と入力します。
関数は、小文字で入力すれば大丈夫で入力のヒントが同時に表示されます。
「IF(理論式,[値が真の場合],[値が偽の場合])」と表示されますが、「理論値=〇〇であればという条件」・「値が真の場合=〇〇という条件であれば」・「値が偽の場合=〇〇という条件でなければ」という意味なので読み替えると便利ですよ。
③一番右に「)」を入力して完成です。
最後は、「)」が「))」となりますが、これは間違いではありません。
関数のネストは、ネストする関数の数だけ「()」が増え式が複雑になればなるほど「)」の数が多くなって分かりづらくなるので、あまり複雑にならないように工夫する必要があります。
今回は、これだけなのでこれで終わりです。
他のセルにも同じようにIF関数を設定してあげれば完成です。
まとめ
さて、今回の「エラー表示」と「IF関数」で回避する方法はちゃんとお伝えできたでしょうか?
今回の作業内容は、第3弾の改良版としてダウンロードできますので、設定方法などの参考にして下さい。
IF関数のような条件に合わせて結果を変えたいことを「条件分岐(じょうけんぶんき)」と呼びます。
この条件分岐というのは、実務では特によく出てきます。
今回のような計算結果が条件によってエラー表示になってしまうときにそれを避ける方法や、上位3位には海外旅行・4~10位には国内旅行・11~20位には温泉ツアーがプレゼントされる企画で誰に何がプレゼントされるか自動的に振り分けるなど、利用シーンはかなり多い関数です。
使い方次第で色々なことが出来るので初心者のうちからキチンと押さえておきましょう。
IF関数は、慣れてしまえば簡単な関数です。
でも一番大切なのは、使う人の立場に立って設定し、使った結果どうしたら便利になるか? どうすればエラーなどの問題を上手に解決出来るか? ということを考えることです。
今までもそうですが、Officeを使うということは操作が出来るようになることは基本ですが、どうしたらもっと使いやすくなるのか? ということを考えて作業するようにしてほしいんです。
そう考えた方が可能性は格段に広がるし、楽しく覚えることが出来るようになるのでオススメですよ。
今回は、シンプルですが以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは次回、またお会いしましょう。 さよ~なら~ ~ ~ 。
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