今回は、自作PC第2弾「組み立て準備-後編-」です。
前編では真似してもらえれば組み上がるパーツを紹介しましたが、後編では自分でパーツを選びたいと思ったときに役立つパーツの選び方をご紹介しましょう。
前編でも触れましたが、自作パソコンを作る時はCPUかマザーボードを中心に選びます。
次に重要なのは、パソコンケースです。
準備編の後編では、正しい各パーツ組み合わせの選び方を中心に紹介します。
では早速パーツの選び方のコツについて見ていきましょう。
自分でパーツを選びたい時は、まずマザーボードを中心に選ぶと良いです。
CPUを中心に選ぶのも良いのですが、マザーボードがそのCPUに対応していないと結局は使えないからです。
その他のパーツもマザーボードが対応していないと同じように使えません。
次に重要なのは、パソコンケースです。
今回のパソコンはコンパクトなものを作りたいので、今回紹介したケースよりももっと小さなケースで作ることも出来ます。
ただ、前編でも触れたように作業のし安さやパーツ選びに幅をもたせておいた方がハードルは下がります。
逆に小さいパソコンケースを選んでしまうとパーツの種類が限定されてハードルが高くなってしまう場合もあります。
更に配線が思っているよりも場所をとるので、パソコンの中がギュウギュウになって熱がこもってしまったり、パーツに干渉してちゃんと動かないことがあるからです。
但し、『マザーボードとCPU』の組み合わせはそんなに難しくないので、ある程度各パーツのスペックだけ確認したら、はじめは『パソコンケースと電源』から選ぶようにします。
理由は、一番大きなパーツ類がケースに収まらないと話が始まらないからです。
パーツの中でも特に大きいパーツのサイズを抑えることで、組み上げた時に失敗する可能性がグッと下がります。
パーツを自分で選ぶ時は意外と大変です。
理由は、対応しているパーツ選びをするのに色々と検討しないといけないこと、パーツを組んだ時にパソコンケースにちゃんと収まるかを考えないとマザーボードがケースに入り切らずに失敗してしまうことがあるからです。
そこでその対策方法と、どんな順番や方法でパーツを選んでいけば良いのか順を追ってみていきましょう。
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Step1 やらなくても大丈夫? Excelを使って情報を整理してみよう
パーツ選びを始める前に重要なことが一つあります。
それは、情報の整理と各パーツの大きさをきちんと把握しておくことです。
【備えあれば憂い無し】私が心がけている一番重要な言葉です。
早くパソコンを作りたい気持ちは分かります。でも、ココで重要なのは慌てないこと。
きちんと準備さえすれば、案外失敗しません。
そこで重要なのが情報を整理すること、そんな時はエクセルを使いましょう。
「え? 何でExcel? 関係ないでしょ。何言っての?」って思いましたか?
フッフッフッ!! そう思っているようでは甘い!!
意外とExcelってこんなことでも使えるんですよ。
Excelを使うメリットはいくつかあるので紹介しましょう。
- 市販のパソコンを買えば大体Office(Word・Excel)はついているので、ほとんどタダ使える。
- Excelの使い方の幅が増えて自然とスキルが身につく
- 大きさや組み合わせを考える時に意外と便利
では、早速準備を始めましょう。
まずは、Excelを方眼紙(ほうがんし)にしちゃいましょう。
方眼紙って懐かしくないですか? 小学生の時とかに図工の授業などで使っていた正方形が並んだ厚紙のことですよね。
これをデジタル化するには、Excelを使います。
今回は、私が作ったシミュレーション用のExcelを用意したので参考にしてみて下さい。
流用してもらう時は、図形とセルの塗りつぶしで作っているので、塗りつぶしを無しにしたりテキストボックスの内容を変更してもらうことで簡単に作り直すことが出来ます。
コレをどう使うのか想像がしにくいと思いますので、今回は私が作った《超簡易的な自作パソコン組み合わせシミュレーター》をご紹介しましょう。
名前なが!!ってツッコミは『いいね』でお願いします。
大層な名前ですが超簡単なつくりなので、誰にでも作れるくらいです。
実際に見たほうが早いので、サクッと見てみましょう。
この図は、各パーツの大きさと厚さをまとめたものです。
この図を組み合わせることで、パソコンケースに各パーツが干渉しないで収まるか?ということをチェックしています。
このシミュレーターを作るときのポイントは、いくつかあります。
- セルを方眼紙のようにすると、パーツの大きさが表現しやすくなる
- 1セルの大きさを1mm角の正方形とする
- パーツの大きさは、図形ではなく背景の塗りつぶしで作る
- 各パーツの色を別々にする
- サイズをきちんと入力しておく
- パーツの詳細情報などは、テキストボックスに入力する
- パーツ情報に組み合わせる時に必ずチェックする重要なポイントを赤字にする
各パーツの大きさや情報は、各オフィシャルサイトで確認出来るので地道ですが情報を整理しましょう。
情報を整理するためには、前編で用意したパーツの一覧表を同じExcelに作っておくのも良いですね。
今回はパソコンのパーツの一覧も別のシートに作ってあります。
このシミュレーターの作り方については、拡張編で詳しく説明していますのでシミュレーターを作ってみたいと思ったら、まずはチェックしてみましょう。
各パーツの情報が整理できたら、次は組み合わせのチェックをします。
まず、マザーボードのサイズを組み合わせて展開図を作ります。
次に電源・マザーボード・CPUファンなど干渉しやすいパーツを設置場所にコピペで貼り付けることで、おおよそ問題無いかチェックしました。
組み合わせるとこんなイメージになります。
イメージは、パソコンケースの展開図を基にしています。
今回の展開図は必ずしも作らなくて大丈夫です。なぜなら、パソコンを組む時にパソコンケースに書かれている各パーツの大きさを超えなければ、問題無いからです。
また、今回の展開図はあくまでおおよそのサイズの当たり用です。
本来立体的なものを展開図にすると混乱しやすいので、Excelでもコレくらいのことは出来るよという参考程度で考えて下さい。
具体的なパーツ選びのコツは、対応しているパーツの種類を確認することと、今回のように大型ファンを積むとサイズをオーバーしないか?ということに注意しておけばOKです。
では、具体的なパーツの選び方を見ていきましょう。
Step2 パソコンケースと電源を選ぼう
まず最初は、パソコンケースと電源を選びましょう。
パソコンケースと電源を最初に選ぶ理由は、ケースに各パーツが収まるかをチェックする必要があるからです。
これくらいのスペックのパソコンが作りたいなと思ったら、マザーボードとCPUをまず選びます。
次の段階では、実際に組み立てることを考えます。
組み立てはケースに入らなければ意味がないので、ケースがそれぞれのパーツに対応していてきちんと収まるか?ということに重点を置く必要があります。
今回は、小型のパソコンを作りたいので
「Mini-ITX」という規格のマザーボードを選びました。
次に必要な情報は、パソコンケースが各パーツに対応しているか?という点です。
まずは、パソコンケースの情報を整理してみましょう。
ケースの型番:RAIJINTEK METIS PLUS(ライジンテック・メティス・プラス) 0R200061
- 対応マザーボード:Mini-ITX
- 電源:ATX規格電源(奥行き16cm程度まで)
- 2.5/3.5インチシャドウベイ :4×2.5″HDD + 1×3.5″HDD もしくは 2×2.5″HDD + 2×3.5″HDD
- ファン (搭載可能数) リア 120mm ×1 ・トップ 120mm ×1
- フロントポート USB3.0 ×2 Audio / Mic 3.5mmピンジャック
- CPUクーラー高 最大160mm
- GPUカード長 最大170mm
パソコンケースが今回のパーツにちゃんと対応していることを確認します。
重要なのは赤い文字の情報で、まずマザーボードは問題ありませんね。
次は、電源をチェックします。詳細を見ると「ATX規格電源で奥行き16cm程度まで」となっていますが、今回選んだ電源は、SFX規格電源です。
この2つの規格の電源の主な違いは、大きさです。
ATX電源よりも一回り小さいのがSFX電源です。
ということは、奥行きの心配はまず問題ないはずですが、念の為に情報を整理しておきましょう。
電源の型番:SilverStone(シルバー・ストーン) SST-ST45SF (V3.0)
- 電力:110W (V3.0)
- 奥行き:63.5mm
- コネクタ: 1 x 24 / 20ピンマザーボードコネクタ(300mm)
- 1 x 8 / 4ピンEPS / ATX 12Vコネクタ(400mm)
- 1 x 8/6ピンPCIEコネクタ(400mm)
- 1 x 6ピンPCIEコネクタ(400mm / 150mm)
- 3 x SATAコネクタ(300mm / 200mm / 100mm)
- 2 x 4ピン周辺用コネクタ (300mm / 200mm)
- 1 x 4ピンフロッピーコネクタ(300mm / 200mm / 200mm)
今回の電源の奥行きは、63.5mmでケースの規格は160mm程度が最大のサイズだったので特に問題は無いので大丈夫ですね。
もう一つ重要な点は電力(W)ですが、かなりハイスペックなパソコンを作らない限り十分な容量があるので、こちらも問題はないですね。
これで、第一段階はクリアしました。
Step3 マザーボードとCPU・メモリの組み合わせをチェックしよう
次にマザーボードとCPUを再確認しましょう。
マザーボードの主なスペックは次の通りです。
マザーボードの型番:ASRock(アスロック) Z370M-ITX/ac
- マザーボードタイプ:Mini-ITX
- 第 8 世代 Intel® Core™ プロセッサーに対応 (ソケット 1151)
- DDR4 4000+(OC)
- 1 PCIe 3.0 x16
- グラフィックス出力オプション: 2 HDMI, DisplayPort
- トリプルモニターに対応
- 7.1 チャンネル HD オーディオ (Realtek ALC892 オーディオコーデック)
- ニチコン製ファインゴールドシリーズオーディオコンデンサ
- 6 SATA3, 1 ウルトラ M.2
- 8 USB 3.1 Gen1 (前面に 2 個、背面に 6 個)
- デュアル Intel® ギガビット LAN
- Intel® 802.11ac WiFi + BT 4.2 モジュール
- Intel® Optane™ メモリ対応
特に重要なチェク項目は、『第 8 世代 Intel® Core™ プロセッサーに対応 (ソケット 1151)』という部分です。
CPUの詳細は次の通りです。
CPUの型番:インテル Core i5-8400 プロセッサー
対応ソケット FCLGA1151とあるので、ソケットの番号は合っているので大丈夫です。
CPUは、これだけ注意するればOKです。
確認方法は、簡単ですね。
次に大切な部分が『DDR4』という世代のメモリーに対応しているということです。
まず、メモリーの種類は、大きく分けて2種類です。
デスクトップ用のタイプが『DIMM』でノートパソコン用のタイプが『S.O.DIMM』です。
デスクトップ用の大きいタイプと、ノートパソコン用の小さいタイプの2種類のメモリーの違いを抑えておけば大丈夫です。
メモリーの世代ですが、現時点で最新版の「DDR4」という種類に対応しているので、これだけ間違えないようにしましょう。
これより古いタイプの『DDR+数字』例えば、DDR3というメモリーは間違って買ってしまっても使うことが出来ないので、数字には気をつけましょう。
メモリーには互換性がありません。
互換性とは、ある要素を、同種の他の要素で置き換え可能なこと。また、その程度。
e-Wordsより引用
つまり、互換性がないということは、メモリの形は似ていますが古い世代のメモリーを使おうと思っても、規格自体が変わってしまっているので使い回すことが出来ないということです。
Step4 CPUファンを大型のものに変更するときの注意点
今回は、CPUファンを大型のものに変更しました。
理由は、排熱の効率を上げることとパソコンの静音化が主な目的です。
大型というだけあってかなり大きいです。
配置図でも簡単に触れていますが、CPU付属のファンと比べると一回り以上は大きくて少しビックリするかもしれませんが、パソコンケースにはすっぽり収まるので大丈夫です。
大型ファンの詳細は次の通りです。
ファンの型番:サイズ Z370M-ITX/ac
サイズ:131 x 123 x 高さ59 mm(クーラー全体) 120 x 120 x 厚さ15.8 mm(搭載ファン)
対応ソケット:intel : 775/1366/1156/1155/1150/1151
重要な部分は、対応ソケットに「1151」がきちんと含まれている点です。
今回購入したCPUは「インテル Core i5-8400 プロセッサー」でソケットは、「1151」だったので問題ありませんね。
もう一つは、ファンの大きさです。
特に高さが重要です。配置図でも触れましたが、高さがパソコンケースと干渉してしまっては意味がないのでココはチェックしておきましょう。
大きさについてもサイズ的には問題無かったのでOKです。
さらにオフィシャルページなどで、ファンの特徴を抑えておけば更に安心です。
全高59mmの超薄型の設計スリム型PCケースやMini-ITXマザーボードに最適
サイズ様のオフィシャルページより流用
小型のパソコンを作るのにうってつけですよね。
こういう点をしっかり抑えておけば、まず失敗することは無いので各ポイントをしっかり抑えておきましょう。
準備編のまとめ
どうでしたでしょうか。
準備編だけで前後編に別れてるなんて大変だなって思いましたか?
確かにチェックすることは多いですよね。
ただ、失敗しない買い物を自分で選ぼうとすると準備にはある程度時間が掛かります。
パーツの選び方だけではなく、予算もあるのでどうしても時間は掛かりますよね。
「備えあれば憂い無し」失敗して無駄になってしまうお金が掛からないようにしっかり準備をしましょう。
今回のポイントを抑えておけばある程度パーツ選びは楽になるので活用してみて下さいね。
次はいよいよ「組立作業」に入ります。
組み立てに必要なことは、マザーボードの接続などをしっかり把握することから始まります。
しっかりポイントを抑えて注意点や準備するものをしっかり抑えておけばちゃんと動くパソコンを組み立てられますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が、少しでもお役に立てたら幸いです。ご意見やFaceBookでシェアしてもらうと嬉しいです。
それでは次回の組み立て編をお楽しみに!! まったね~~~。
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