今回は、Wordの応用編第5弾の「FAXの送付状作り」から学ぶ便利な裏技についてご紹介します。
Wordで書類を作っていると、同じ書類の一部の内容を変えて印刷したりするシーンがあると思います。
今回、紹介する「FAXの送付状」もその一つです。
例えば、FAXを送るごとに「日付や自分の名前・相手の名前」を入力したり、確認だけでいいのか? 返信すべきなのか?
ということをいちいち入力しなくていけなかったりします。
できれば日付の設定やチェック項目は、クリック操作で設定できれば楽ですし
自分や相手の名前は、忘れないように入力するを促すような工夫がでされていれば楽ですよね。
Excelなら、こういった操作は比較的簡単に設定できるんですが
Wordはあくまで文章を作成することに特化しているので、以外と応用が効きづらいんです。
そこで今回は、裏技を使ってそんな便利な機能の設定方法をご紹介しちゃいます。
話だけでは、なかなかピンと来ないのでさっそく、本編に行ってみましょう!!
目次を使って読みたい項目へ
基本情報の入力用の表を挿入しよう
まずは、今回作る「FAX送付のご案内」という書類を一度確認してみましょう。
先に完成版がどんなものなのか気になったら、ダウンロードしてみて下さい。
完成版がイメージ出来たら早速下書きを作ってみましょう。
はじめに「FAXの送付状」なんてもう古くないか? と思われている方に補足です。
正直、私もFAXなんてインターネットが普及している世の中で時代遅れだし、使わないだろうと思っている人間の一人です。
ただ、今でもハローワークなどの公共機関はFAXでやり取りすることが多く、一般的な企業でも、「〇〇の発注はFAXでお願いします」と言われたりすることも意外とあります。
だからといって、たまにしか使わない書類をわざわざ手書きするのも納得できないので、ちゃちゃっと作れるツールを作ってやろう!!
くらいの気構えで作ってみるといいんじゃないかと思います。
それに、この機能を知っていれば他の資料作りでも役立つのでチャレンジしてみましょう。
まずは、基本的な情報を入力するための表を挿入します。
Wordの表の作り方が分からない場合は、《Wordの表の作り方》を見て下さいね。
①「7行3列」の表を挿入します。
②タイトル部分を入力します。
③2列目の幅を「5mm」に設定します。
④表全体を選択して「ウィンドウ幅に自動調整(W)」をクリックします。
⑤きれいに整ったら、一段階目の設定は完了です。
タイトルを自由なレイアウトで挿入しよう
次に「タイトル」を作りましょう
作り方は簡単なのでサクッと作ってしまいましょう。
①「挿入タブ」→「図グループのテキストボックス」をクリックします。
②テキストボックスにタイトル「FAX送信のご案内」を入力します。
③適当に書式の設定をしてタイトルを作ります。
▼ 参考までに今回のタイトルの書式設定はこんな感じです。
- フォントサイズ「36」
- 図形の塗りつぶし:「白、背景1、黒+基本色15%」
- 図形の書式設定:「垂直方向の位置」を上下中央・上下左右の余白を「0mm」
④タイトルを表の上に持ってくればタイトルの完成です。
タイトルは、テキストボックスで出来ているので好きなところに配置出来て大きさの調整も簡単なので、最後に再調整してもイイですね。
カレンダーから日付を入力してみよう
次は、今回のメイン機能のご紹介です。
実は、Wordにはカレンダーをクリックするだけで日付を自動的に入力してくれる強力な機能があります。
でも、普通の状態では使えないので設定を変える必要があるんですね。
※これから行う「コントロール系」の機能を追加すると一時的にレイアウトが崩れますが、慌てずに操作すれば大丈夫です。
Excelに詳しい方なら「マクロ機能」という言葉を聞いたことがあると思いますが、Wordでもその機能を使うことが出来るんです。
マクロ機能を簡単に言うと、利用者が行った作業を自動的にプログラミング言語として記録してくれる機能のことです。
プログラミングなんていうと難しそうですが、今回はプログラミングはしません。
ただ、クリックすれば便利に使える便利なアイテムを設定するだけです。
作業自体は難しくないので、気軽に設定してみましょう。
まずは、カレンダー機能を使うための準備をして、カレンダーを使ってみましょう。
①「ファイルタブ」→「オプション」ボタンをクリックしましょう。
②「リボンのユーザー設定」をクリック→「開発」 横のチェックボックスをクリック→「OK」ボタンをクリックしましょう。
③リボンの中に新しく「開発」タブが増えれば準備完了です
④「送信日:」の右側をクリックしておきます。
「開発タブ」→「コントロールグループ」→「日付選択コンテンツコントロール」をクリックしましょう。
⑤日付設定用のボックスが挿入されるので、「▼」をクリックしてカレンダーが表示されることを確認しましょう。
⑥【今日】ボタンをクリックしてみましょう。
⑦今日の日付が自動的に入力されればOKです。
作業はたったこれだけです。
日付を入力するのって意外と面倒なんですよね。
あれ?? 今日って何日だっけ?
なんて考えずにボタンを押すだけで入力出来ますし、「2019/11/11」とかであれば10文字分入力作業がなくなりますし、間違えないから意外と便利なんですよ。
最後に表示の内容を調整するので今はそのまま他の部分も調整していきましょう。
送信枚数をリストから選択出来るようにしよう
次は「送付枚数」をリストから選べるように設定してみましょう
①設定したい場所の「送付枚数:」と「(本紙を含む)」の間をクリックしておきましょう。続いて「コンボボックス」ボタンをクリックします。
②コンボボックスが入力されればOKです。
③このままではリストの選択ができないので、コンボボックスをクリックしておきます。続いて「プロパティ」ボタンをクリックしましょう。
④「アイテムを選択してください。」をクリックしておき、【変更】ボタンをクリックしましょう。
⑤「アイテムを選択してください」という文字は、リストの一番上に表示され文章が少し長いので、「表示名(N):」のテキストボックスを「枚数」に変更します。
⑥内容を変更したら、【OK】ボタンをクリックします。
表示名は何でもOKです。
⑦リストを設定するには、【追加(A)…】ボタンをクリックします。
⑧「表示名(N):」に番号を入力して【OK】ボタンをクリックします。
今回は、「1~10」まで設定したいので、番号分作業を繰り返しましょう。
設定が終わったら【OK】ボタンを押せば設定終了です。
⑨カレンダーと同じように「枚数」がリストから選択できればOKです。
送信先と担当者名にテキストボックスを挿入しよう
次に送信先と担当者名にテキストボックスを入力していきます。
作業はすごく簡単です。
①「リッチテキスト」をクリックします。
②テキストボックスが設定できればOKです。
③相手先名にもテキストボックスを設定します。
④仮に入力するとこんな感じです。
チェックボックスを設定しよう
次に「至急」「ご確認ください」「ご参考までに」「ご返信ください」それぞれの前にチェックボックスを設定してみましょう。
ただ、チェックボックスは挿入しただけでは、レ点(れてん)ではなく「×」マークが表示されるという謎の設定? になっているので一工夫必要です。
(×マークは、アメリカなどとの文化の違いによるものだと思います。)
手順は少し多いですが、順番にやっていけば大丈夫なので、チャレンジしてみましょう。
①「至急」の文字の前をクリックしておきます。
チェックボックスをクリックしましょう。
②挿入出来たら続けて【プロパティ】ボタンをクリックしましょう。
③チェック記号を「レ点」に設定したいので【変更】ボタンをクリックします。
④「記号と特殊文字」ダイアログが表示されるので
「フォント(E):」から「メイリオ」を選択します。
種類が沢山あるのでフォントボックスに「メイリオと直接入力」する方が早いと思います。
⑤文字コードに「2611」と入力しましょう。
この数字は、レ点のチェックボックスに設定するためのものです。
背景が青色に変わっているフォントを見ると分かりやすいですね。
⑥【OK】ボタンをクリックしましょう。
⑦もう一度【OK】ボタンをクリックしましょう。
⑧チェックボックスがきちんと動作すればOKです。
⑨チェックボックスが問題なく動くように4つの選択肢の表の行の高さを「12mm」に設定します。
ここで行の高さを調整しないと、チェックボックスをクリックするたびに行の高さが変わってしまうのでその対策として調整しています。
⑩セルの配置の「中央揃え(左)」をクリックします。
チェックボックスが「セルの左揃えで縦方向の位置が中央」だときれいに見えるのでその設定をしています。
⑪至急のチェックボックスをコピーして、他の項目横に貼り付ければOKです。
チェックボックスなどは、コピペ出来るので他の項目に設定します。
コピペのタイミングはいつでも良いのですが、面倒なレ点の設定をしたあとに行った方が楽ですね。
これで基本的な設定は終了です。
ただ、今のままだと各コントロール部品には調整が必要なんです。
表の幅が狭いということもありますが、「入力を促すメッセージ」などを調整しないと使いづらいので各パーツの設定をしていきましょう。
送信日の設定をして使いやすさをUPさせよう
送信日は、初期設定では少し使いづらいので設定を変更して一工夫しみましょう。
※1 ココから先の手順を行うと、タイトルが行方不明になることがあるので前もってタイトルを用紙の下の部分に置いておくことをオススメします。
※2 「デザインモード」で文字を変更するときには、前もって「プロパティ」の設定を済ませておくようにしましょう。順番を逆にすると、上手く設定出来ないことがあります。
※3 文字の入力をしている場合は、一度文字を消してから削除する方が作業しやすくなります。その時にコントロールパーツを消してしまわないように注意して下さい。
①まず、日付設定の部分をクリックしておきましょう。
次に「デザインモード」ボタンをクリックします。
②デザインモードの表示は青い【】に変わって
「クリックまたは、~」の部分を変更出来るようになります。
③「日付」という文字に入力し直します。
④文字の色を「青色」に変更します。
文字の色は、わざと目立つ色にします。
設定したあとは、見えなくなるので好きな色に設定して下さい。
⑤【デザインモード】ボタンをクリックしてデザインモードを解除します。
⑥今日ボタンを押した時の日付表示などを変更するために【プロパティ】ボタンをクリックしましょう。
⑦『タイトル(T):』に「日付設定」と入力し、『ロック』項目の「コンテンツコントロールの削除不可(D)」項目をチェックします。
このロックをしておかないと、「BackSpace」や「Delete」ボタンを押すと消えてしまうので必ずチェックしましょう。
⑧『カレンダーの種類(C)』のリストから「グレゴリオ暦」を選択します。
⑨「日付と曜日」表示のものを選択します。
⑩今日ボタンをクリックして、西暦と曜日が表示されればOKです。
残りの設定を仕上げて完成させよう。
さて、最終仕上げです。
他のコントロール部品たちも同じ様に設定してみましょう。
「送付枚数」の設定例です。
「送信先名」の設定例です。
「相手先の担当者名」の設定例です。
全て設定できると、「青い文字の部分」=「設定出来る部分」ということがひと目で分かりますね。
設定項目を全て設定し終わると、文字色は青にならなければ完成です!!
お疲れ様でした。
まとめ
さて、今回の機能はどうでしたでしょうか?
一度作ってしまえば超便利なんですが、意外と癖がある機能ですよね。
それに、最初から表示されていない機能を使うので少しハードルが高くなっています。
実は、この「開発タブ」というのは、マクロ機能を使うための上級者向けのタブです。
だから、最初の設定では表示されていないんですね。
マクロというのは、Wordなどの操作を自動的に記録して、記録した作業を自動的に再現してくれる機能の事でしたね。
マクロやVBAといった言葉を耳にしたことがある方もいると思いますが
要は、「Officeソフト専用のプログラミングをするための機能」のことでその機能の一部を利用して作っているんですね。
ちょっと癖がある機能ですが、作ってしまえば超便利な機能なのでステップアップに挑戦してみて下さいね。
いくつか注意点もあるので、ゆっくりと少しずつ設定してみて下さい。
今回はここまでです。
次回、またお会いしましょう。 バイビー!!!
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