今回は、IF(イフ)関数に関するお話です。
以前もIF関数でエラー表示させない方法を紹介しましたが、今回は原点に帰って基礎から抑えていきましょう。
IF関数は、すごく便利で使う回数が最も多いと言ってもいい関数の一つです。
IFとは、日本語で「もし」という意味です。
《もし、〇〇だったら△△って表示して、そうでなければ、××って表示して》
こういう使い方が一番シンプルなんですが、実際の使い方を基に解説していっちゃいます。
それでは、本編へ行ってみましょう!!
IF関数の基本を整理してみよう
まずは、IF関数の基本を抑えましょう。
今回も練習用のファイルを用意しているので、ダウンロードしてみて下さいね。
IF関数とは、条件によって結果を変える「条件分岐の自動判断をしてくれる関数」です。
例えば、海釣りイベント参加者の会員ランクを仕分けたい時などに便利です。
今回の例でいうと、今までの参加回数によって会員のランクを分けたい時に使うと仕分けが自動化できます。
「会員ランク」の振分けは、下記の「参加回数」によって割り振りたいと思います。
参加回数 | ランク |
---|---|
5回以上参加した場合 | VIP |
3回以上参加した場合 | 一般 |
3回未満の参加の場合 | ビギナー |
こんな風に回数によって結果を変えたい場合に便利なのがIF関数です。
今回は、H4セルのIF関数を見て基本的な使い方をマスターしてみましょう。
=IF(G4>=5,”VIP”,IF(G4>=3,”一般”,”ビギナー”))
これが今回の関数の設定です。
一見するとかなり複雑に見えますが、色分けして小分けして見れば難しくないんですよ。
まずは、オレンジ色の部分を見てみましょう。
IF(G4>=3,”一般”,”ビギナー”) ですね。
これを分かりやすくしてみましょう。
IF関数の基本ルールは、次の通りです。
IF(条件,真の場合,偽の場合)というルールで使います。
日本語で表現すると
「もし、このセルは〇〇ですか?、〇〇だったら△△って表示,そうでなければ□□と表示して」という意味になります。
ということは、 IF(G4>=3,”一般”,”ビギナー”) は、
「もし、G4セルが3以上ですか?、3以上なので「一般」と表示、3以上ではないので、「ビギナー」と表示」という意味になります。
基本は、これだけですがこれだと「一般とビギナー」は振り分けられても「VIP」が振り分けられませんよね。
それに「条件の判断をするための式の意味」もいまいち分かりません。
次のステップは、もう少し詳しく式を見ていきましょう。
IF関数の式の意味を知っておこう
もう一度 「IF(G4>=3,“一般”,“ビギナー”)」の式を見てみましょう。
まず、条件式という条件を設定する部分を見てみます。
G4>=3という式は、「G4のセルが3以上ですか?」という意味です。
ここで大切なのが、「比較演算子(ひかくえんざんし)」です。
比較演算子は、「以上・以下・より大きい・より小さい(未満)」などと言った意味で使われる記号のことです。
比較演算子 | 意味 | 使用例 | 日本語化 |
= | 等しい(同じ) | G4=3 | G4セルは3です |
<> | 等しくない(違う) | G4<>3 | G4セルは3以外です |
> | より大きい | G4>3 | G4セルは3より大きい |
< | より小さい(未満) | G4<3 | G4セルは3より小さい |
>= | 以上 | G4>=3 | G4セルは3以上です |
<= | 以下 | G4<=3 | G4セルは3以下です |
つまり、「G4>=3」とは「G4セルに入力されている値は、3以上か?」ということを判断するための式ということになります。
次は、G4のセルが3以上か? そうでないか? で結果を仕分ける必要がありますよね。
その結果、「真の場合=YESの場合」と、「偽の場合=NOの場合」にどんな表示をするのか? を設定しているのが次の部分です。
「”一般”」と「”ビギナー”」の部分ですが、YESの判断が先でNOの判断が後なので、 G4のセルが3以上 の場合は、「一般」と表示して3以下の場合は「ビギナー」と表示するよという設定なんですね。
ここで1つ注目してほしいのは、「” ”」このように「ダブル・クオ・テーション」マークが文字を挟んでいる点です。
これは、表示したい内容が「文字列(文字)」の場合は「”」で文字を囲んでねというルールがあるからです。
ちなみに「”」マークは、半角入力で、【SHIFTキー】+【2のキー】を押すことで入力できます。
これで基本的なIF関数の使い方は終わりです。
ただし、今回のように更に条件がある場合があります。
今回の場合、これだけだと残りの「VIP」の振り分けには対応できないですよね。
そこで次は、関数のネスト(入れ子)について見ていきましょう。
関数のネスト(入れ子)って何?
まずは、ネストとは何かというと「関数に関数を組み合わせること」を言います。
関数の式の中に関数をもう一度設定することから、「入れ子(いれこ)」という言い方もします。
ネストの長所は、より複雑な条件でも自動的に判断してくれるところです。
反対に短所は、ネストをすればするほど式が長くなって非常に分かりにくくなってしまうことです。
今回のような3種類の振分けくらいであれば問題ないですが、関数が長くなりすぎる場合には、関数以外の工夫が必要ですが、そればまた別の話です。
まず、最初のIF関数を見てみましょう
=IF(G4>=5,”VIP”,IF(G4>=3,”一般”,”ビギナー”)) これでしたね。
今度は、緑の部分に注目してみましょう。
【IF(G4>=5 ,”VIP”, <オレンジの式>)】これがその式です。
この式は、「G4のセルが5以上ですか?、5以上なので「VIP」と表示します。、そうではないので次のIF関数の処理をします。」
という意味になります。
この一見複雑に見える式が関数のネストというやり方です。
つまり、ネストとは「1番目にG4のセルが5以上」であれば「VIP」そうではない場合、「2番目に「一般」か「ビギナー」に振分けたい」ので、次の関数で更に振分けさせる方法のことです。
このネストは、実務でも使うことが多いので、難しく考えすぎずにゆっくりと順番に式を入力してみましょう。
今回のポイントは、 =IF(G4>=5,”VIP”,IF(G4>=3,”一般”,”ビギナー”))
1番目の条件に当てはまらなかった場合の書き方です。
つまり、「G4セルが5以上では無い」場合次の関数を書きますが、その時の注意点があります。
- 1番目の条件がNOの場合の位置に次の関数を入力すること
- 2番目以降の関数の頭には、「=」の記号はいらない
- 最後の「)」は、設定した関数の数だけ必要になること
このルールを抑えておきましょう。
どうしても理解できない場合は、1回目に2つの条件を切り分けるIF関数を設定してみましょう。
次に1回目と重なる形でもいいのでもう一つのIF関数を設定してみます。
それぞれが上手くいったら、「1回目のNOの条件の部分に2回目の式を貼り付け」てみましょう
私も理解できない間は、2つに分けて合体させて作っていたので上手くいく可能性がありますよ。
釣り道具を買えるかIF関数で自動判断しよう!!
今回は、おまけ問題を用意しました。
難しくはないですが、ちょっと工夫が必要です。
関数でもなんでもそうなんですが、パソコンやOfficeを上達させる最短コースは、慣れてしまうことです。
つまり繰り返すことが重要なんですね。
元のファイルは、冒頭でダウンロードできるファイルの「買物表」というシートにあるので、チャレンジしてみて下さいね。
お題は、予算(A3セルの金額)で目的の道具(K6セル以降)は買えるのか? という判断を自動化することです。
買える場合は、「購入可」買えない場合は「購入不可」と表示されるように設定してみて下さい。(回答は、「L6のセル」に設定してあります)
Excelも使い方によっては面白いなと思ってもらえれば嬉しいです。
内容を改造すれば、他の使い方もできるので遊んでみて下さいね。
まとめ
さて、今回はIF関数の使い方の解説でしたが、ちゃんとお伝えできたでしょうか?
IF関数は、非常によく使う関数です。
なぜなら、「条件分岐」というものは、実務でもその他の場合でもよく出てくることだからです。
例えば、今日の昼食は「うどんにしようか? パスタにしようか?」とか今度の旅行は、「和室にしようか? 洋室にしようか?」など、選択することは、日常茶飯事ですよね。
こんな風に仕事だろうとプライベートだろうと、条件を分けることってたくさんあります。
こういった決め事を条件によって切り分ける。
しかも大量に処理しなければいという時などにすごく役に立つ関数なので、ぜひマスターしてみましょうね。
今回は、ここまでです。
それではまたお会いしましょう!! バイバイ。
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